発達障害グレーゾーンの子どもは学校などで
いじめのターゲットにされることが多いというのは知っていました。
そして実際に我が家の子どもは何度かいじめの被害者になっています。
客観的に見てもいじめのターゲットになりやすいと思う部分があったので
心配もありましたし、気をつけていました。
中学生の頃は早めに子どもの行動に気になることがあったため
気付くことができましたが、高校生になると隠してしまったために
発覚が遅れてしまい、長期間になってしまい子どもの心の傷は大きなものになりました。
発達障害グレーゾーン高校生が学校でいじめにあった時はどうする?
グレーゾーンの子どもは親本人も気づいてないケースがとても多いらしいです。
そして検査を受けてもグレーゾーンの場合は特に何か配慮をしてもらえるとか
手帳をもらえることもないため、定型発達の子どもたちと同じ扱いになります。
それは中学生でも高校生でも同じです。
進学も定型発達の子たちと同じように
普通に受験して進学します。
知的に遅れがないから大丈夫だと思われがちですが
実際には知的に遅れがなくても、できないことや苦手なことが多いので
学校生活では困ることもあります。
周囲の子どもたちがさらっとできるようなことがうまくできなかったり
時間がかかってしまうこともたくさんあります。
そうすると意識しているわけではなくても
目に付くことも多いのでしょう。
最初はちょっとからかった程度でスタートするいわゆる『いじり』と呼ばれる行為が
最終的にはエスカレートして『いじめ』と言われるような行動にまでなってしまうことが多いです。
ということは、近い人間関係の中で起こってしまうということです。
交友関係もなく、何か言われても気にならない程度の関係性であれば
スルー出来る場合もあるかもしれませんが
多くの場合は、近い関係性で起こるため
騒いでおおごとにしたくない、先生や親に知られたくないという心理が働きます。
いじめの被害者が大人に言わないと
それは大丈夫なんだと周囲が勝手に判断して
継続されることがあります。
何も言わなければいつかやめてくれるという場合もあるとは思いますが
高校生くらいになるとエスカレートしたり、継続されることが多いようです。
我が家の子どもはその後のケースだったため長期化していたようです。
現在は学年が変わり、クラス編成は息子にとって良い状態にしてくれたため
仲の良い友達も同じクラスに複数人いてくれるし、
息子をいじめた数人のリーダー格の子たちとは離れたクラスになりました。
物理的に離れたことにより、直接の被害がなくなったため
まだ安心できる環境にいると思います。
今回のケースは良かったと言えるパターンではないためこの失敗を踏まえて
息子の身に起こった経緯とどうすればよかったのかということをまとめてみました。
いじめの経緯と期間
息子をいじめたのは同じクラス同じ部活に所属する同級生です。
最初はからかっているだけだったのですが、それがエスカレートして
最終的には息子は手を上げられ、金銭の被害もありました。
周囲の仲の良い子たちが『おかしい。いじめだ』と言ってくれたものの
息子の方が騒ぎにしたくないからと何も言わないで欲しいと言ったため
長期化する結果になりました。
それでもずっと見ていた同級生が『先生に言うわ』と言って
担任の先生に伝えてくれたそうです。
同じころに学校内でアンケートがあり
さすがに辛かったのでしょう。息子もツラいと書いたようです。
その両方により、
息子と友だちへの聞き取りから始まり、事実確認等が進められた段階で私に連絡がありました。
内容はあまりにもひどくてこういうのを『言葉の暴力』というんだなと
改めて実感したほどでした。
言葉は凶器と言われますが、鋭い凶器のように息子の心をえぐりました。
その後、いじめをした加害者側への個別の聞き取りが始まりました。
いじめに加担していたのは複数人いたそうです。
学校側から加害者側の生徒の名前は教えてもらえませんでしたが、
数人は目星がつきました。
私は加害者の聞き取りに同席したかったのですが、
それは却下されたため自分の中では気持ちの行き場もなくもやもやが残っています。
いじめに加担した生徒は次々に謝ってきたそうです。
その後はどういう形で決着がついたのか私には詳しいこと分かりませんでしたが
息子は以前と同じように学校に行き、部活にも参加しました。
本人からはっきりと聞いたわけではありませんが、
騒ぎにしておおごとにしたくないと言ったのはやはり『先生にチクった報復』が
怖かったからだと思います。
いじめが始まってから一応学校側が最終報告をしてくれた時期までの期間は
半年以上にもなります。
発覚してからは学校がすぐに動いてくれたため早くに収束はしました。
しかし、半年以上も我慢していたのです。
どんな思いをしていたのかということをいじめた側には
ぜひぜひ身をもって知っていただきたいと思います。
子どもがいじめられた場合の対応はどうするのが良い?
発覚から収束まではスピード感があり
現在の学校の先生方はよほど気を付けてくれているんだろうという
感謝の気持ちは大きいものがあります。
先生からは『そのような状況になっていることに気づけず申し訳ない』という
言葉をもらいましたが、高校生ですから先生が見える場所でそんなことはしません。
密室や自分たちが安全と思う場所でしかやりません。
実際、息子へのいじめ行為はほとんどが『部室』で起こっていたそうです。
同じクラスではありましたが、教室内では一切手出ししなかったそうです。
たくさんの目がありますし、息子と仲の良い子もいますし女子生徒もいます。
誰が何を言うかわからない状況ではいじめはしなかったみたいです。
と言うことは自分たちがやっていることが『悪いこと』という認識はあったのでしょう。
部室の中ではあまりにもひどいと止めに入ってくれる生徒もいたみたいですが、
いじめる方の人数も多かったためか部室内での終息には至りませんでした。
そして息子が我慢している間にいじめが終わることもありませんでした。
むしろ内容はエスカレートしたのです。
そのことから『大人に入ってもらう』ことが一番効果があると思いました。
男子高校生からしたら恥ずかしいとか情けないとかみっともないとか
そのような思いをするからかなかなか言い出せないというのが現状だと思いますが
時間が解決するということはないように感じました。
子どもにかけた言葉
息子がいじめられているのに我慢していた理由はいくつかあると思います
・恥ずかしい
・情けない
・格好悪い
・大人に言ったら逆切れされる?
・いつか終わる?
・心配されたくない
・自分にも悪いところがある
などなど複数の理由があったと思います。
はっきりとは言いませんでしたが
部活を辞めたくないし、大人に言って報復されたら怖いというのも
大きな理由になっていたと思います。
私(母親)に言えば怒るし、おそらくすぐに動くであろうということは
鈍い息子にも分かったらしく特に私には言いたくなかったようです。
当然です。
息子がツラい思いをしているのに
それを見て見ぬふりなんて絶対にしません。
しかし私自身も相当ショックだったこともあり
本当にありきたりな言葉しかかけられませんでした。
『どんな理由があっても集団で一人をいじめていい訳なんてない』
それしか言えませんでした。
心も体も傷ついた息子にこの言葉が届いたのかどうか分かりません。
高校生がいじめの被害を受けた時の対応はどうしたら良いのか?
息子に起こったこの出来事を少し時間を置いて改めて思い出してみたのですが
今思い出しても怒りが簡単にはおさまりません。
どのようなタイミングでどのような行動をしたら
エスカレートしなかったのだろうか?
その点を考えてみました。
今回の件で分かったことや自分が調べてみた結果をまとめると
・いじめは初期に対応しないとエスカレートする
・長期化すると加害者側の人数が増える
・加害者の人数が増えると罪悪感が減る
高校生や中学生がよく使う言葉に『いじり』というものがあります。
そんなつもりはなくからかっていただけでコミュニケーションだったと言い訳します。
しかし被害を受けている方はそうは思っていません。
イヤな思いをしたり、ツラい思いをしています。
学校に行きたくない時や部活に参加するのも気が重いということになるということは
それは『いじり』ではありません。
自分がしている側の時は大したことではないように感じるのでしょう。
そして高校生といってもまだ子供ですし、
この世の中には大人になっても陰湿ないじめをする人はいます。
そのことから言えることは『エスカレートする前に対処することが必要』ということです。
子どもの性格によるのでどうするのが一番良い方法か分かりませんが、
ちょっとイヤだなと感じたタイミングで先生に言うことです。
(それができれば苦労しないという声もあるとは思いますが・・・)
はっきりと言えばよいと思っています。
『みんなは「いじり」のつもりかもしれないけど自分はイヤな思いをしている』と。
個人の性格や先生との関係性によっては簡単には言えないと思いますが、
『自分はイヤだと思っている』ということを早い段階で大人に伝えることで
先生に動いてもらいましょう。
またそれが原因で悪化するのであれば
日記として記録をして証拠を残しましょう。
いつ、どこで、誰に何をされたということをメモ書きで良いので残します。
これは立派な証拠になると言われています。
近年、いじめ問題は社会問題となっているため
最近では警察が動いてくれることもあるようです。
そんな流れの変化もありますので
受け取り側の気持ちが分かれば学校の先生は動いてくれる可能性が高いです。
被害者が『大丈夫』と言ってしまえば
先生としてはことを大きくするのは逆効果と考える場合もあるので
そんなことは大したことないという人もいると思いますが、
そのような一般論ではなく『自分はイヤなんだ』ということを言葉にして言うことが大事です。
色々と調べてみたり、被害者にも聞いてみましたが
スパっと簡単に終わるというのは難しいようです。
加害者側の人柄や保護者の性格にもよりますが、
しょっちゅう問題を起こしている子どもの親はあまり気にしないという人も多いため
親に直接文句を言ってもあまり効果がない場合も多いようです。
子ども同士のことなので
どちらかが一方的に悪いということばかりではありません。
被害者であったとしてもきっかけを作ったのは本人である場合だって考えられます。
そういうことから表面化しにくいのだと思いますが
それでも複数人で一人に対してして良いことではないと思ったらすぐに『声を上げる』べきです。
加害者側が全て悪い言えない場合があることは
分かった上で、大人に仲裁に入ってもらうのが良いのではないかと思っています。
最後に
今回の息子の場合は、被害者、加害者、周囲の同級生たちの話を
まとめた上で『息子には非がない』という結論に至ったようです。
息子は誰に対しても手を上げたりしませんし、
よほど仲の良い友だちでなければ勘違いされるような言葉も言いません。
息子が言われてきた言葉をまとめても
誰かに迷惑をかけたわけでもないし、ケガをさせてもいません。
では、何がきっかけだったのかというとこれが一番悔しい話です。
息子は部活の練習がない時でも自主練をしたり
勉強でも分からない時は先生に質問したりしていたそうです。
『自主練してるくせに下手なまま』
『勉強しているくせに成績が悪い』ということをからかわれ始めたのが最初だったようです。
努力をして頑張っている姿を見て笑ったのです。
確かに息子は不器用で言葉足らずで、できないこともたくさんあります。
勉強も時間を取って取り組んでいる割には成績に反映されることもないままです。
そういう部分が面白かったのでしょう。
発達障害グレーゾーンの子どもはこれくらい努力しても
定型発達の子たちには追い付けない場合もあるのです。
でも、それで誰かを傷つけることにはなってないと思います。
それなのにいじめのターゲットにされたのです。
本当に許せないと思っています。
今回のことで、私は全く何もできませんでした。
幸い学校が早くに対応してくれたため大きなけがをするなどのことには至りませんでしたし、
学校にも通える状態でいます。
何もできなかったのがとても悔しいので
これからはこのような状況になった時に
息子本人が対処できる方法を探していきたいと思っています。
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