空気を読んだり、行間を読んだり、
その場の状況を察するということは
発達障害グレーゾーンの子どもにとっては最も苦手とするものの一つです。
その特徴からも分かるように
言葉もストレートに受け取る傾向があります。
比喩表現も成長するとある程度理解できる子どももいれば
意味が分からないと理解に苦しむ子もいます。
比喩の中でも国語の授業で習うような『隠喩』と言われる
表現方法は理解が難しいと言われています。
子育てをしていれば、本当にイライラすることもあります。
本音ではなく嫌味を込めて『もう、好きにすればいい』なんて言葉を
子どもに投げつけてしまった場合、
多分、後悔します・・・。
発達障害グレーゾーン中学生に『好きにしたらいい』と言ったらどうなる?
子どもを育てていると
なかなか思い通りにいきませんし、
自分の疲労もあってイライラしてしまうこともあると思います。
何度行っても、子どもが言うことを聞かなかったりすると
最終的に『もう勝手にすれば』『好きにすればいい』ということを言ってしまう時があります。
その本音は言葉どおりではないことがほとんどだと思います。
しかし、言葉どおりにしか受け取れない子どもの場合は、
本当に『好きなようにします』
言葉の裏に隠れている心理を理解できることを求めるのは難しいのです。
発達障害グレーゾーンの子どもで特に男子の場合は顕著に出てきます。
文字通りに受け取り、しかも喜びます。
『自分の好きなようにしていいんだ!』
と許可をもらったように思います。
怒ったように発した言葉ですら自分にとって良い解釈に受け取ります。
『勝手にすれば』と思わず口から出てしまっただけだとしても
子どもは文字通りに受け取るため、そんなことを言ったことを後悔することになります。
後から色々と、こういう意味で言ったんだと説明しても、
理解してもらう事は難しいのです。
発達障害グレーゾーンの子どもに限らず、言葉をストレートに受け取る人は
一定数はいると思います。
本当に伝えたいことがある時は、比喩表現はできるだけ使わずに
分かりやすくストレートな表現を選ぶのが良いです。
『勝手にしなさい』と怒った結果は・・・
言うことも聞かず、学校の先生からも注意を受け
イライラが最高潮に達した時に子どもに『勝手にしなさい』と怒ったことがありました。
すると、私は怒っているのにも関わらず、
子どもは喜んで『いいの~。やった~。』と言って
遊びに行ってしまいました。
冬の夕方でもう外が暗くなっている時間帯だったのに
まだ外で遊んでいて危ないと注意したにも関わらず遊び続けていたタイミングでした。
ストレートに言わないと伝わらないことは分かっていたのですが、
感情が高ぶって思わず出てしまった言葉でした。
怒っているのだからある程度は理解するかと思いきや
喜んで公園に行ってしまったのです。
日が沈み、公園はもう真っ暗だったのに。
私としては、『注意しても聞かなくて、車が急に来たりしたら危ないのに言うことを聞かないあなたのことはもう知らない』
というようなニュアンスで半分呆れているということを言いたかったのです。
全く伝わらなかったことに愕然としました。
私は女性ですが、特に言葉から気持ちを察して欲しいと思うことは多いと思っています。
だからこそ、子どもに伝える言葉は普段から気を付けていました。
イライラがマックスだったからとは言え、逆効果になってしまう言葉を言ったことを
とても後悔しました。
『好きにしなさい』と怒られたことを聞いてみた
その出来事から数日が過ぎてから
私自身が落ち着いている時に、子どもに聞いてみると
お母さんは怒っているけれども『勝手にしなさい』と言ったから
自分の好きなようにしていんだと思ったと話してくれました。
私が怒っているという状況は分かっていたけれども
そこで『勝手にしなさい』と言ったので
お母さんは怒っているけれども、自分は好きなようにしてもいいと言われたと思ったようです。
母親の私が怒っているという状況と
『勝手にしなさい』という言葉が出た時に
状況ではなく、言われた言葉だけで判断をしたようです。
「状況+言われた言葉」で本当に怒っていて呆れられているということは理解できませんでした。
あまりにも言うことを聞かないのでお母さんは子どもに対して呆れてしまったという状態であることを
子どもは分からなかったようです。
発達障害グレーゾーンの子どもは『好きにすれば』を理解できるようになる?
はっきりと個人差が出ます。
本を読むことが好きだったり、映画やドラマなど
人間の心情をストレートに表現しない作品などに多く触れていくと
経験値とし分かるようになる子どももいます。
そこにプラスして家庭でも比喩表現を含めた会話をたくさんしていると
経験値として積み重ねていくことができます。
学校の国語の授業だけでは多分、理解することは難しいと思います。
小説やマンガやアニメだと心の中で思ったことも文字として表現することがあると思います。
そのような表現方法があるということを知るためにも
たくさんの作品を読んだり、見てみると良いでしょう。
文字だけの小説では難しいという場合でも
アニメやドラマなどを見てみると良いです。
おススメは映画です。
1つの作品を短時間で見ることが出来て
しかも何度見ても面白いと思える作品がいくつかあれば
その作品を繰り返し見ることで、最初には分からなかった部分も
少しずつ理解することができると思います。
最後に
『空気を読め』と言われたら『空気は読むものではなく吸うものです』と
答えるような子どもの場合、
社会に出た時に困ることがあると思います。
文字通りにしか受け取れないというのは
ストレートで分かりやすいという良い面もあります。
学生の間や家族や仲の良い友だちの間ではそれほど困らないかもしれません。
ですが、大人になって社会人としての生活をスタートさせてから
コミュニケーションの部分で支障をきたす可能性があります。
『言われなくても分かる常識』のように
はっきりと言葉にされない意味を理解することは非常に難しいものです。
周囲の人が言っている言葉の意味をすぐに理解することが難しいという場合は
繰り返し練習することで、推測することができるようになってきます。
言葉をストレートに受け取る傾向がある場合は、
早めにたくさんの言葉に触れる練習をすると良いと思います。
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